EXHIBITION | TOKYO
岩崎努(Tsutomu Iwasaki)
<会期> 2025年4月19日(土)- 5月24日(土)
<会場> TOMIO KOYAMA GALLERY
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
この度小山登美夫ギャラリー六本木では、岩崎努展を開催いたします。
本展は作家にとって弊廊での初個展となり、岩崎の代表作である柿をモチーフとした木彫作品を、新作含め発表いたします。
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岩崎努の作品は超絶技巧的な素晴らしさもありますが、「柿」を作っているのに、「リアルに作ること以外の魅力」があるように感じます。
サイズも実際の柿より少し大きいものもあり、木で柿を作ることによる作家自身のリアルな物象や「物体としての柿」の再現を彫刻として表しているようです。
小山登美夫
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岩崎努は1972年富山県南砺市井波生まれ。欄間彫刻で知られる富山伝統の井波彫刻師を父にもち、自然と彫刻の道へ進むことになります。
1995年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業後、彫刻家の多田美波氏、父に師事したのち、より写実的な表現の追求を目指し独立。富山県東岩瀬市に「木彫岩崎」を開業し、伝統をふまえた独自の世界観を発展させてきました。2023年「超絶技巧未来へ!明治工芸とそのDNA」(岐阜県現代陶芸美術館ギャラリー1、長野県立美術館、三井記念美術館等に巡回)への参加や、ライフワークと位置づける天神像の制作、近隣の寺院やミシェランの星つきレストラン、世界的に有名な時計メーカーとの作品など、国内外で高い評価を得ています。
「柿」をモチーフとした作品「嘉来」は、一見木彫とは思えない驚くほど繊細でリアルな表現ですが、岩崎にとっては心象風景を形にしたものであると言います。故郷の井波には柿の木がいっぱいあるが、実がなっても誰も取らずに深いオレンジ色になり、雪が積もり、朽ち果て、下に落ちる。それが作家にとっての原風景であり、郷愁からはじまった作品となっています。
そして作品には岩崎の考える「柿らしさ」「柿の美しさ」を誇張や省略をしながら投影されています。
「例えば、『葉付き柿』の枯れ方をする時は、実はこの色じゃない。でも自分の思う柿の葉の色って、一瞬なんですけどこういう孔雀のような模様が出る時がある。それが僕自身の柿らしさ。だから、郷愁とか哀愁を表現したいと思って枯れてる形にしてますけど、でも本当に枯れている時はこの色ではない。」*1
制作方法は、粘土での立体スケッチで彫り始める前に十分な時間をかけたのち、木に移行します。一つの木材から枝、葉、実と全て彫り出す「一木造り」技法を用い、日本画家の平井千香子氏にイメージを伝え何度もやりとりしながら着色がほどこされ、制作できる限界は年に2作品。実物の柿の果実より大きいものもあったり、へたも実際の形や色とは異なっていますが、岩崎の中にある「柿の概念」がそこに映し出され、本質に迫る力強い写実性、時間性、そしてそれらを超えた深い作家性をも醸し出されています。
「柿は国果といわれるくらい日本の果物を代表するもので、それぞれの柿の想いがあるはず、幼い時に柿を見た想いなどを少し思い出してほしい」*2
本物とは、本質とは、ものの存在とはそもそも何なのか。岩崎作品を通して、自分の琴線に触れる部分がどこになるのか、ぜひ体感しにお越しください。
*1「2024年2月24日 岩崎努(木彫家)× 秋元雄史(美術評論家)」、『岩崎努展カタログ』、105MaGALLERY、2024年
*2「GO FOR KOGEI」アーティストインタビュー映像
TOMIO KOYAMA GALLERY(小山登美夫ギャラリー)
http://tomiokoyamagallery.com/
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
tel:03-6434-7225