EXHIBITION | TOKYO
山本渉(Wataru Yamamoto)
「夏の陽」
<会期> 2016年8月23日(土)- 8月27日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
2016年8月23日(土)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjukuにて、Summer Exhibition Vol.1 山本渉個展「夏の陽」を開催いたします。
本展は麻布十番にある展示スペースCale / Field Sewing Tokyoとの合同開催となり、今年1月に弊廊での個展にて発表をしたサイアノタイプ(青写真)シリーズの新作を展示致します。
Caleでは、紫外線に感光性のある液体を一枚布にたらした「しみ そめ しわ」シリーズを、弊廊では、同様の液体を染み込ませて準備した写真Tシャツを被写体となる人物が着用して感光させ、その体型や動きの癖によってできるしわの陰影を記録する「夏の陽」シリーズを発表致します。
約一週間という短い展示期間となりますが、この機会に是非ともご高覧ください。
写真はそれを共有可能な情報にするプロセスの中でいくもの形式を必要とする。ほとんどの場合で被写体や記録媒体を一時静止させる必要があり、また光を平面的に捉えるプロセスに依存する。その制約ゆえに写真画像は容易に複製可能となり、ネット上でも誌面でも家族アルバムに貼り付けられたものでも経年劣化等の時間の変化と情報操作の可能性を含めなければ、画像サイズや出力方法を変えながら様々な媒体で同様に表示される。しかしながら、被写体をある形式に当てはめて記録する際には、当然ながら情報の欠落が発生する。その欠落をなるべく少なくして、そのままの状態で捉えることはできないか。また、ある形式を与えられた反発によって偶発的に生成される形やズレを捉えたい。そういう欲望からこの新作を制作している。
写真Tシャツは内部の被写体に密着してほとんど動かないが、着用するうちにズレが生じてしわができる。それが日光に照らされて副全体に立体的な陰影をつくる。その像が記録されたTシャツは複製することができないが、生の記録を伝える生々しい”写真”だと考えている。
布上に定着するしわの像は露光した際の天候や季節によって異なる紫外線の強さ、布の材質、しわの深さなどによって変化する。しわの形状に最も影響するのは着用者の体型とTシャツサイズとの関係だが、この展示では個別の体系や性別を問わず既製品のMサイズのみを使用することにした。これもまた形式を与える作業である。
今後「夏の陽」は、写真Tシャツプロジェクトとして様々な人々の生の記録を行うものに発展させたい。夏の短い期間の展示だがぜひ見ていただき、興味があれば被写体として参加してほしい。
2016年7月 山本 渉
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツビューイングルーム新宿)
http://ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
tel:03-6276-6731