EXHIBITION | TOKYO
吉野英理香(Erika Yoshino)
「MARBLE」
<会期> 2018年4月7日(土)- 5月19日(土)
<会場> Taka Ishii Gallery Photography / Film
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは、4月7日(土)から5月19日(土)まで、吉野英理香個展「MARBLE」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーで3度目の個展となる本展では、2014年から2017年にかけて撮影された作品群より17点を展示いたします。
「 MARBLE(マーブル)」は、「光の中できらめく結晶石」を意味するギリシア語 MARMARONに由来する大理石のことです。
石灰岩が、熱で変成して再結晶した、美しく輝く石。
石の中で、異質なものがフュージョンする。
バニラ色の石の表面上に、いくつもの緩やかな線が描かれ MARBLE模様が生まれます。
私がカメラを向けるのは、日々のなかにあります。
レンズを通した光が結ぶイメージは、虹のかけらのようにフィルムに感光される。
瞬間が永遠になり、かけがえのない時間が、印画紙の上に浮かび上がります。
「 MARBLE 」は、複雑で、魅惑的な時間の象徴です。
私にとって、自由と希望を見出すカギのようでもあります。
美しい響きに魅せられてイメージを想起し、写真で表現してみようと思いました。
ほんの少しでも、ニュアンスを写すことができていれば幸いです。
レンズを通して見た光の結晶。
私の欲望が、白い印画紙の上に緩やかな線を描く。
2017年12月 吉野英理香
『無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol. 14』展覧会カタログ
東京都写真美術館、2017年、p. 18より抜粋
本展で吉野は、写真制作を始めて以来日々弛むことなく向き合ってきた自身の写真表現を、自然のなかで長い歳月をかけて独特な模様を形式する大理石(MARBLE)に重ねています。日常を取り囲む身近なものを被写体とする吉野の写真は、その意味を取り立てて説明することもなく、カメラを携え歩くなかで作家の視線が赴く先を淡々と切り取っていきます。偶然性や必然性に身を任せながら、気になる光景や知らない、分からないものとの出会いを探し、自分が見たという確信を得てシャッターを押す。ある程度の量として纏まった写真をプリントし組み合わせを変えたりしながら、自らが見たかったイメージの断片を集積し、更なる撮影へと向かっていく。そうした朴訥ともいえる撮影と編集作業を繰り返した先に見えてくる吉野の作品世界には、蓄積された時間や記憶、経験が深みをもって凝縮され、作家特有の空気感が漂っています。吉野の原点であるストリートスナップの手法は、モノクロからカラー作品制作へと移行し発表した『ラジオのように』(2011年)以降、現在も一連の作品に緩やかに通底しています。前作『NEROLI』(2016年)で見せた静けさや強さは、本展「MARBLE」において、独自に培われた刻の感覚のなかでより豊かな襞を形成し、鑑賞者をその作品世界へと誘います。
本展の開催に合わせ、作品集を刊行いたします。
【作品集詳細】
吉野英理香『MARBLE』
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム刊(2018年)
販売価格: ¥2,300-(税抜)
ソフト・カバー、40頁、掲載図版24点、H21 x W27.2 cm
金子隆一によるテキスト収録(英語・日本語)
Taka Ishii Gallery Photography / Film(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム)
https://www.takaishiigallery.com/jp/
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F
tel:03-5575-5004