EXHIBITION | TOKYO
冨井大裕(Motohiro Tomii)・ 堀内正和(Masakazu Horiuchi)
「拗らせるかたち」
<会期> 2023年6月17日(土)- 8月5日(土) 2023年8月23日(水)- 9月16日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
*ご好評につき一部展示替えを行い会期を延長いたしました。
このたび、Yumiko Chiba Associatesでは、
本展では、堀内の彫刻やデッサン、
冨井はこれまで、主に日用品などの既製品という「具体物」「
近代から現代に至る彫刻の先駆けとして、
ぜひご高覧ください。
■アーティストメント
堀内正和さんの作品は「気になる」。「好き」ではない、気になるのだ。見よう、という作品ではない。気がついたら見ていた、という作品である。こういった作品、作家と出会える機会は少ない。思うに、そういう作家は私にとって「どこか近い作家」ということなのだろう。自分のことなんてそうそうわかるものではないが、感覚は私のことをわかっている。私の感覚が、私に堀内さんの作品を見せているのだ。だから、私は堀内さんの作品が気になっている。
堀内さんと私の作品を同じ空間に展示する機会を得た。過去にも一度だけそういう機会はあったのだが、今回はガチンコだ。仲良く肩を並べて、とはならないだろう。とはいえ、ファイトクラブ的な(懐かしい)凄惨なものにも多分ならない。なんとなくだが、狐と狸の化かし合い、虚実の入り混じる差し合いになれば、と目論んでいる。
堀内さんの印象を記した。敢えて整えることはしない。散発な記述も堀内さんに近づくための方法だと思うからだ。「どこか近い」ということは、私についてのことなのかもしれない。
線と面を仮説として(移動するものとして)捉え直す。線→面ではなく、線㲈面。
線が面であるかもしれず、面は線であるかもしれない。
簡単な入れ替わり、ではなく、線が線でありながら面の可能性を持ち、面もまた同様に。
その実験道具として「点」がある。
シンプルだがややこしい構造をそのままの鮮度で見せる詐術として、あっけらかんとした空間の抜けがあり、ユーモラスな反復がある。
歯医者に行って噛み合わせを治したとする。噛み合っているはずなのに、なぜか口の中がしっくりこない。
歯を動かして噛み合わせを確認している時、私は口の中をたしかに見ている。
構成とはそういうものかもしれない。
抽象は具象である。
見えたままという「わからなさ」を現していることにおいて。
トリックはない。見えたもの(こと)が見たもの(こと)だ。
堀内さんの造形にはこのような射程がある。
それ故に、堀内さんの彫刻は彫刻をこじらせている。
冨井大裕
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイツ)
http://ycassociates.co.jp/
東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
tel:03-6276-6731