EXHIBITION | TOKYO
ロバート・モリス(Robert Morris), 高松次郎(Jiro Takamatsu)
「Robert Morris -Jiro Takamatsu & Robert Morris from the 1970’s」
<会期> 前期:2019年6月25日(火)- 7月31日(水) 後期:2019年8月3日(土)- 8月31日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
2019年6月25日(火)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjukuでは、高松次郎の「こすり」と、ロバート・ モリスの「Blind Time」で構成した二人展を開催いたします。
高松次郎の「こすり」は、高松が1970年代から手がけたドローイングです。70年代初頭は、高松が「影」「遠近法」「単体」 シリーズなど、そのキャリアのなかでも重要な仕事をすでに発表し、現代美術界において高い評価を獲得した時期にあたりま す。平行して、高松は「こすり」を含む、多くのドローイングを手がけていました。高松は「こすり」において、紙に黒い幾 何形態を描き、指などを使ってこすることで、純粋形態に破調やノイズが介在する画面をつくりだしました。また高松は、こ するという行為を加えることで、絵具の物質性を際立たせ、純粋形態を物理的な時空間に移し替えようとしていたと言えるか もしれません。
同時期、ミニマリズムやコンセプチュアル・アートの代表的作家として知られ、昨年逝去したロバート・モリスは、1973年か ら「Blind Time」と呼ばれるドローイングのシリーズの制作を開始します。「Blind Time」は手法などを変え2001年まで継 続的に制作されました。「Blind Time」でモリスは、描き手の視覚を遮断した盲目(Blind)の状態に置き、目が見えない状態 でドローイングを描くという実験を行いました。モリスはこの作品を、両方の手の指をつかい、画面に黒鉛かインクを直接こ すりつけながら描いています。全てのシリーズは基本的に「正攻法ではない表現方法もしくは表現しないという方法の中でド ローイングの基本を見つける」というコンセプトに基づいており、それは、視覚に依拠してきた西洋絵画史に対するモリスの 挑戦であると同時に、外的な知覚情報を遮断した上でなされる精神の働きに関する彼の関心も示しています。 高松次郎とロバート・モリスが期せずして同時期に行っていた二つの作品群は、ともに作者の直接的な身体を画面に介在させ、 視覚性や理念的なかたちの純粋性に疑いをさしはさむものだったと言えるでしょう。本展は、両者に共通する試みに着目し、 会期を二期に分けて開催いたします。前期は、高松の「こすり」のドローイング全6点とモリスの「Blind Time」3点で構成 され、後期は、モリスの70年代の作品3点に、80年代と90年代に制作された同シリーズを追加し構成します(後期は高松作 品の展示はありません)。 世界の反対側で制作していた、コンテンポラリー・アートの中核をなすアーティスト2人が、共通 する葛藤や手法を模索した中から生まれたこれらの作品を、この機会に是非ともご高覧ください。
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツビューイングルーム新宿)
http://www.ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
tel:03-6276-6731