EXHIBITION | TOKYO
謝花翔陽(Shoyo Jahana)
「ハッピーエンディングセット」
<会期> 2024年12月6日(金)- 2025年1月18日(土)
<会場> Bambinart Gallery
<営業時間> 12:00-19:00 日月火祝休 *冬季休廊:2024年12月15日(日)- 2025年1月9日(木)
このたびBambinart Galleryでは、謝花 翔陽(じゃはな しょうよう)個展「ハッピーエンディングセット」を開催いたします。
これまで弊ギャラリーでは、2013年の個展を皮切りに、2014年、2017年、2019年、2020年、2023年と継続的に新作個展を発表しています。2013年の個展「アメジスト/月に向かって吠え立てる犬/そして僕は橋を焼く」では、日常の感情や告白をクレヨンで書き殴り、隙間なく埋められた支持体を爪で引っ掻き、掘り出すことで描画した大型ペインティングを中心に複数のオブジェで構成されたインスタレーションを発表しました。
2014年の個展「女、彫刻家、音楽、5、好運と蕩尽」では、一人の女性をモチーフとして彫刻、音楽、そして「5」という創造を司る神秘的な数字についての考察を通して具現化を試みました。
2017年の個展「Aftermath of Evil Deeds, and Everlasting Princess Mind」では、過去の悪事からの脱却とディズニープリンセスやキャラクターたちに見られるような清廉なる心を得ようとする試み、あるいは、ミューズを見つける旅として、絵画・彫刻・映像・音楽とともに大型インスタレーションを発表しました。
2019年の個展「状況”環/蛇、全て最良の未来のために。”」では、喪失した愛への憧憬、自己同一性の連続の確保、魔術的他律、といった謝花の制作の立脚を担うキャラクターとして、ラスコー壁画の鳥人間や、髑髏、音楽、多眼の女性などが描かれた平面作品を中心に発表しました。
2020年の個展「石灰の恋、鶏鳴を背負い」では、決別から再会へと転換し、2013年の個展と同手法の平面作品を自分自身の構造と同じであると見做し発表します。
そして、昨年2023年の個展「図(記録):調和のためのファシリティ」において、博士審査展のインスタレーションで展開されたカバラの図像の象徴的な8色のセクション「オレンジ、黒銀、緑、銀、黄、赤、紫、青」に彩られた平面作品を中心に構成。博士審査展の映像作品ほかとともに紹介しました。
「この10年間の作品実践(トライアンドエラー、試行錯誤)の集大成として「東京藝術大学大学院美術研究科 博士審査展2023」において発表した《Untitled (Magic_k_αl “The Graduate” /DVN.QSN.OAN..鳥頭の男)》は、セフィロトの構造に沿って配置されたオブジェクトによるファシリティ(設備)の中で、自身が鳥人間になるための試練を行うというパフォーマンス作品を制作しました。
博士展出「魔術的なるもの」を「自分の力ではどうしようもない事柄」に対処するために存在するもの、すなわち信仰や倫理観、良心と定義づけました。闘病中に芸術によって救われた経験から、芸術(そして魔術)の自己を救済しうる可能性に気づいたのです。ラスコーの鳥人間がシャーマンであったように、私もまた、鳥人間になることで自己の救済を試みたのです。」
「本展では、初期の平面シリーズから、インスタレーションのシリーズ、そして音・舞踏から博士展作品へと向かう関連作品を展示し、この10年間にバンビナートギャラリーで行なった作品発表を俯瞰することで、彫刻(特に人体彫刻)の可能性の模索、人生における様々な困難 / 現実の困難に対して、美術や作家の身体さらには魔術的思考を用いて直接的に向き合おうという試みを通して自己の救済への道程を辿ります。生きづらい現代社会においてこのような実践の記録は、芸術の有用性や新たな可能性を示すものとなると考えています。」
(謝花翔陽)
本展は、東京藝術大学大学院 博士課程を修了後、音楽、パフォーマンス、インスタレーションの発表が続いた謝花のギャラリーを会場としたアートワークの発表の機会となります。
ぜひご高覧ください。
「うまくいかない美術、うまくいかない人生、それへの戸惑い・不安・苦悩さらには恐怖を、美術でなんとか解決しようと試みてきた。なぜなら自分はそれしかできるものがなく、唯一すがることができたのが美術だったからだ。だからトライアンドエラーを繰り返し、表現方法も幾度となく変化してきた。それがこの10年間の作品実践と作家活動の実態である。
その間に、自分を苦しめてきたものの正体が「自分の力ではどうしようもない事柄」という、わけのわからないものであると思い至った。それに対抗するものとして「魔術的なるもの」という概念を立ち上げたことで、ようやく自分が自分として生きるための折り合いをつけられるようになったような気がする。
ギリギリの中で自分ができることを探り続けてきた10年間だった。自分が唯一できることである美術を手放さなかったこと、芸術に失望しなかったこと、芸術の可能性を信じ続けていること、好きなことに対する諦めの悪さ、そのことこそが今の自分が存在できている理由である。これから、分断してきた過去(とそこにある作品)に橋をかけ、現在とその先へ繋ぎ合わせていこうと思う。」
(謝花翔陽)
Bambinart Gallery(バンビナートギャラリー)
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東京都千代田区東神田1-7-10 KIビル 2F
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