アーツ千代田 3331はアートなのか。拡張し続けるアートへの挑戦。中村政人10年ぶりの個展。
中村政人は韓国に留学後、『中村と村上展』を皮切りに90年代前半、精力的に活動をスタートし、路上展覧会『ザ・ギンブラート』『新宿少年アート』など伝説となる路上ゲリラでのアートプロジェクトを展開します。その後もマクドナルド社のCIを使ったインスタレーション作品や秋葉原電気街の約1000台のテレビモニターをジャックした『秋葉原TV』など、アートと社会の関係に新しい視点を導くアートプロジェクト作品を多数発表していきます。しかし2001年のベニスビエンナーレ出品以降、「自分達の場所を自分達でつくる」オルタナティブなアート活動にシフトチェンジし、コマーシャルなアートシーンだけでは表現しきれない地域におけるサスティナブルなアート活動を展開します。プロジェクトスペース『カンダダ』を経て2010年には、その集大成として地域に開かれた新しいアートセンター『アーツ千代田 3331』を発表します。それは「アート×産業×コミュニティ」をコンセプトにアートの表現領域を拡張した全く新しい芸術作品とも言えるでしょう。
本展会場では、89年~94年のデビュー前後の韓国と日本で中村が撮影した写真約700枚の展示に加え、最新作となる2つのシリーズのインスタレーションを発表します。タイトルである『明るい絶望』は「全ての存在を受け止め、その自らの因果律を逸脱させる力」と中村は言及します。混迷する社会に、何を伝えようとしているか? ゲリラ活動から『トランスアーツトーキョー』まで一貫した表現活動は、どんな可能性を浮かび上がらせるのか?
アーツ千代田 3331で開催する中村政人10年ぶりの個展に、是非ご期待下さい。
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