この度ギャラリー広田美術では、『植田 一穂展』を開催することとなりました。植田一穂は、現在東京藝術大学准教授として教鞭を執りながら制作を続け、創画会会員として活躍している1961年広島県生まれの作家です。その作風は描く対象を独自の感覚で心地よいところまで簡略化し、独特の色彩感覚で描き上げられます。
素材の特徴を生かした線描と絵具の滲みへのこだわりは、明らかに新しい日本画を目指すところから生まれた植田作品の見どころです。また書のような感覚で作品を描きたいという姿勢は、常に集中をした状態で描くことで作家の内に秘めた力を画面に最大限現出させようとする実験を試みているとも言えるかもしれません。その魅力は、やさしく暖かい中にも強さを併せ持った、作家の人間性そのものとなって画面に出てくるのです。
今回は大作100号を含む、約10点の展覧会です。ぜひご高覧ください。
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