20世紀を代表するフランスの巨匠、ジョルジュ・ルオー(1871?1958)。黒々とした力強い描線と、鮮烈な色彩にいろどられたその作品は、宗教的モティーフのみならず、道化師や娼婦、家族や母子といった世俗の人々のすがたをも、人間味あふれるまなざしで描きだしています。自らが敬虔なカトリック教徒であったルオーは、イエス・キリストの受難と同様に、人間が生きていくうえで直面するさまざまな苦しみから目をそむけることなく、それらを敏感に感受し、絵筆にこめて表現し続けました。闇の中に光をもとめるかのようなその画業を通じて、ルオーの作品には内部から輝き出すような光が宿り、時代や国を越えて、いまなお人々の心を照らし続けています。
本展では、質量ともに世界最大規模を誇る出光美術館のコレクションから、代表作『受難(パッション)』や版画集『ミセレーレ』をはじめとする約170点の作品によって、情熱(パッション)の画家、ルオーの魅力の全貌をご覧いただきます。
「聖書の風景」1953-56年
ルオー肖像
〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西17
TEL:011-612-7000(テレフォンサービス)