江戸時代に庶民の間で親しまれた浮世絵には、当時の風俗や話題が生き生きと映し出されています。美人画には流行のスタイルで決めた評判の美女たち、役者絵には当代きっての人気歌舞伎スターが描かれました。
江戸後期になると、この二大浮世絵ジャンルに加えて、旅への憧れから新たに風景画が発達し、また、妖怪退治など伝奇のヒーローが活躍する武者絵、遊び心あふれる戯画、激動の時代を背景に幕府政治を批判する風刺画、黒船来航による開国絵の登場など、バラエティーに富んだ魅力的な作品が数多く生まれて、浮世絵界はかつてないほどの盛り上がりをみせました。
渓斎英泉 「浮世風俗美女競 美艶仙女香」
本展では、中右(なかう)瑛(えい)氏(国際浮世絵学会常任理事)の膨大な浮世絵コレクションから厳選された肉筆画約20点を含む幕末期の浮世絵150余点を、「装いとお洒落・女ごころの美人画」、「四季の名所風景画」、「シャレとユーモアの戯画・漫画」など12のコーナーに分けてご紹介します。
華麗な色彩と驚きの発想で江戸の粋や賑わいを伝える幕末浮世絵の世界をどうぞお楽しみください。
歌川広重 「東海道五拾三次之内 蒲原」
〒488-0852 愛知県刈谷市住吉町4丁目5番地
TEL:0566-23-1636
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