1961年愛知県生まれ。
1993年に東京で行われた初個展以来、そのソウルフルで自由な絵画表現と愛とユーモアに溢れた思想で、現代日本の若い感性を鷲掴みにしています。
そんな彼女がこれまで大切に描きためて来たラッコちゃんたちを一同に迎え、この度キドプレスにて個展を開催致します。
今回の展示は2007年に開催されたMAYA MAXX Print Art展に引き続き、第2回目の版画出版にともなうものです。
本展覧会は3年前のNY水族館で突然起こったMAYA MAXXとラッコの出会いから始まりました。
水族館にラッコが居るとは思わずに歩いていると、そこにひょっこりと現れたラッコ。すいすいと何も気にせず、ただ生きている事を楽しんでいるかのように泳ぐその可愛らしい姿に心奪われ、時間を忘れていつまでも眺めてしまいました。
その姿を眺めるうちに「そうだよ!ただ生きているだけですごいことで、すごく楽しいことだよ!こういう風に自分も生きて行きたい!」と彼女の中でひらめきが起こりました。
大好きな物こそたった一回しかない出会いの衝撃と喜びを大事にしたいと考え、以後自身のイメージの中で育まれた「らっこちゃん」たちを描いて行く事にしました。
ラッコの動きと毛並から醸し出される愛くるしさ、そのボアっとした感じがまさにぴったり!と、数ある表現の中からMAYA MAXXが選んだ技法の一つがドライポイントです。
彼女の持つ躍動的で力強いタッチが、銅版上に有機的で不規則な線を刻み、そこに詰められたインクは紙の上に黒々と盛り上がって摺りとられています。
今回は同時に数点のドローイングも制作されました。
紙の上で一本ずつ探り当てられるようにして描かれた線によって、生き生きとしたラッコの姿が次々と生み出されていきました。
それぞれの作品に共通して現れるMAYA MAXXの描く黒い線。
これには、彼女の強固な意志、苦境に立たされても挫けずに事態をしっかりと受け止め、ユーモアと智力でパワーに還元してしまう不思議な力が宿っているかのようです。
また、「色はこの世の厳しさを緩和する美しさ」と語り、それぞれのラッコの個性を慈しむかのように、カラフルな着彩が施されました。
そこには強さと表裏一体と成った、彼女から溢れだす愛と優しさが表されています。
▼作家コメント
ただただ生きていることの素晴らしさを表現したかったんです。
何かをするからいいのではない。
何かができるからいいのでもない。
生きている、それがもうすでに素晴らしいことなんだ!と言いたかったのです。
良い意味で今まで描いてきたもののなかで一番いい加減です。
でも、かけた自分がすごくうれしかったのです。
なるべく楽に考えずに絵を描こうとしています。でもなかなかそれは難しい。
その中で自分でも意外なくらいいい加減に楽に描けました。
不思議なくらい。
それを見ていただけるだけでもいいかな?と思うくらいです。
数々のラッコがあちこちすいすい泳いでいるのを見に来てください。
多分「ま、いいか!」と思っていただけると思います。
だってラッコってそういう生き物ですから。
そしてMAYA MAXXも。
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