佐伯祐三(1898?1928)がパリで没してから80年。その画業を振り返る展覧会を開催いたします。
佐伯はしばしば「この絵は純粋か?」と自作について友人に問いかけ、常に芸術家としての自身を律していたといわれています。
パリの下町の街頭や近郊の美しい村を、重厚な色彩と激しい筆致で表現し、情熱のなかに郷愁をも感じさせる佐伯作品は、今なお人々を魅了しています。
佐伯は1898年、大阪府西成郡中津村(現・大阪市北区中津)の光徳寺に生まれ、1923年に東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業、翌1924年にはパリに旅立ちます。この年、自作を携え里見勝蔵とともにフォーヴィスムの巨匠ヴラマンクを訪ね「このアカデミック!」と怒声を浴びた体験が、大きく佐伯の表現を変化させ、さらにユトリロの影響を受けつつ独自の画風を確立していきます。
佐伯祐三≪裏町の広告≫1927年
京都国立近代美術館蔵
1926年、一時帰国して里見や前田寛治、小島善太郎、木下孝則と「一九三〇年協会」を結成するも、パリへの想いは断ちがたく、翌年再びパリに渡ります。この滞在において、広告の文字や並木がパリの街頭風景に躍る佐伯ならではの表現が開花しますが、翌1928年、30年という短くも情熱を燃やし続けた生涯を終えます。
展覧会では、そうした佐伯の創造の軌跡を代表作によって辿り、また佐伯芸術の成立にかかわった関連作家らの作品や、佐伯の志を受け継ぐかのような後進の画家らの作品もあわせて紹介し、佐伯芸術の本質と拡がりを探ります。
▼関連作家▼
ヴラマンク・ユトリロ・里見勝蔵・中山巍・川口軌外・前田寛治・小島善太郎・木下孝則・荻須高徳・大橋了介・山口長男・横手貞美・佐野繁次郎
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