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小西真奈は昨年、新鋭作家の平面作品発表の場で知られる「VOCA展」で、深淵な森に吸い込まれ
るように向かう人を描いた風景画で鮮烈な印象を与え、VOCA賞を受賞しました。
小西真奈の描く絵画は、現実とも夢ともいえない曖昧な情景をつくりだしています。
彼女はこの世とは思えない実存する不可思議な場所を写真に捉え、それらトリミングされた写真によって構図をつくり絵画として成立させていきます。
「浄土2」 2007年、162×194cm、キャンバスに油彩
撮影:木奥惠三
Courtesy ARATANIURANO
また映し出された荒涼とした自然風景に対峙するかのようにその場に居合わせた人々を即物的に登場させることで、より見る側の対象をずらし、現実から抜け出した深層的な精神世界に引き込んでいきます。
写し出された風景写真が絵画へと移りゆく中で、撮影した特定の場所は消滅し、「どこでもない場所」へと変換されていくのです。
無意識の内に抱いていた風景が、一枚の写真と似ていたことがきっかけで、頭に残るイメージを作品に描くことを始めたと作家は語っています。
そして曰く「日常的な要素を日常からかけ離れた風景にほうりこむこと」によって、作家自身が内的に見える心象世界を、実存するかもしれない風景として具象的に描いていくのです。
それは「現実と虚構」どちらでもなく、そしてどちらとも享受したよりダイナミックな世界なのです。
作品が「存在するかもしれないもう一つの世界」を示唆してくれることで、日常生活から開放されるだけでなく、ふと違う時空間に誘われ、私たちに様々な感情を刺激してくれることでしょう。
尚、本展覧会は「第一生命南ギャラリー(11月2日-30日:日比谷)」と2会場にて同時開催として新作を発表します。
今までの個展での発表より大作を中心に発表しますのでご期待いただきますようお願いいたします。
また当ギャラリーと第一生命南ギャラリーは、有楽町線にて二駅、移動所要時間約10分ととても便利です。
ARATANIURANO(アラタニウラノ)
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
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